環境・エネルギー工学科に関するよくある質問とその回答
入試関連
注意:以下の回答は、工学部環境・エネルギー工学科を志望する場合の2021年度入学の入試について説明しています。受験する年度や学科によってルールが異なる場合もあるので、必ず自身が受験する試験の受験要項等を確認してください。
Q1.入学試験でどの教科をとる必要がありますか? また、どの教科を重点的に勉強するべきですか?
令和3年度の工学部一般選抜を例に説明すると、受験科目は以下の通りです。
大学入試共通テスト:
国語
社会(「世界史B、日本史B、地理B、倫理、政治経済」から1科目)
理科(「物理、化学、生物、地学」から2科目)
数学(数学ⅠAに加え、「数学ⅡB、簿記、情報」から1科目)
外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目)
個別学力試験:
数学
理科(物理に加え、化学または生物の合計2科目)
英語
大学入試共通テスト、個別学力試験の点数は合計1000点満点に換算されますが、個別学力試験の数学、理科の点数が各250点であり、配点が大きいです。
試験と配点の詳細は、工学部の入試情報のページを参照してください。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/general
Q2.環境・エネルギー工学科に合格するために、理科はどの科目を選択するのが良いですか?
大学入試共通テストでは「物理、化学、生物、地学から2科目」が課されます。
個別学力検査では、「物理」および「化学、生物のうち1科目」が課されます。
したがって、物理および、化学または生物を選択するのが良いかもしれません。
入試の試験科目等について、詳しくは、入試情報のページを参照してください。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/general
Q3.外国人入試について教えてください
「私費外国人留学生特別入試」を実施しています。
出願にはTOEFLの点数に加え、日本学生支援機構(JASSO)の主催する「日本留学試験(日本語、数学、理科)」の成績が必要です。また、学力試験(数学、理科、口頭試問)が実施されます。
詳しくは、私費留学生特別入試のページを参照してください。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/expense
また、一般入試を受験することも可能です。
詳しくは、一般選抜のページを参照してください。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/general
Q4.高専からの編入を考えています。編入に対していましておくべきことはありますか?
高専からの編入試験の場合、環境・エネルギー工学科の「環境工学コース」「エネルギー量子工学コース」のいずれかを志望するか、あらかじめ決めておく必要があります。(ただし、第2志望まで選択することができます。)
選抜は学力検査、面接試験、調査書からなりますが、学力検査の科目は志望コースによって異なり、環境工学コースが「環境工学に関する小論文」、量子エネルギー工学コースが「物理(力学、熱学、電磁気学)」です。
志望するコースの科目を勉強しておくことはもちろん、調査書も評価の対象ですので、高専での学習にも真摯に取り組んでください。
編入学試験の詳細は、工学部のウェブサイトを参照してください。
https://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/entrance/ug_admissions_other/
Q5.大阪大学に合格するために、高校一年生のいま、しておくべきことはなんですか?
入学試験に合格するためには、まず入学試験の内容を知っておくことが必要だと思います。志望する学部について、一般選抜の試験科目や、推薦入試(統合型選抜・学校推薦型選抜)の受験資格などを確認しておくと良いでしょう。
詳しくは、入試情報のページを参照してください。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/general
また、合格したあとのことを考える場合、自分が将来なにをしたいのか、そのために大学で何を学びたいのかを考えておくのが良いと思います。身の回りの物事やニュースについて、気になったことを本などを読んで調べてみるのはいかがでしょうか。
カリキュラム関連
Q6.在学中どのようなことを学べますか?
1年次では、教養科目に加え、工学の基礎科目と導入科目を学びます。
2年次では、環境・エネルギー工学の全体像を学びます。
3年次では、環境工学コース、エネルギー量子工学コースに分かれ、各分野での専門知識を学びます。
4年次では、いずれかの領域に加わり、卒業研究をとおして各分野における最先端の研究課題に取り組みます。
具体的な講義科目などは、学科ウェブサイトを参照してください。
https://see.eng.osaka-u.ac.jp/education
Q7.私は世界の環境問題を解決するための研究をしたいと考えていますが、そうした国際的な問題を学ぶ講義がありますか?
あります。
環境問題、エネルギー問題の多くは地球規模の問題です。そのため、環境・エネルギー工学科の講義では、国内外の様々な事例について学びます。
環境・エネルギー工学科の研究内容や講義科目の詳細については、ウェブサイトを参照してください。
研究内容:https://see.eng.osaka-u.ac.jp/research
講義科目:https://see.eng.osaka-u.ac.jp/education
Q8.私は、大学で環境に配慮した地域づくりや、環境問題を解決するためのことそのものについて学びたいのですが、環境・エネルギー工学科で学ぶことができますか?
はい。
たとえば、都市環境デザイン学領域では、「人間と環境、自然との関係を洞察しつつ、都市空間・都市環境のしくみを解明し、その計画・デザイン手法を探ることにより、これらの共生関係を築き、住民や自治体等の協働にも立脚した持続可能な都市づくり」を研究しています。
また、地球環境共生工学領域では、「生態系から人間社会にもたらされる恵みである「生態系サービス」の持続可能な利用を目指して、生態学的視点による幅広い自然共生システム研究」を行っています。
都市環境デザイン学領域:http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeud/seeud/
地球環境共生工学領域:http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seege/seege/
Q9.卒業研究のテーマを決める過程と、研究の進め方について教えてください。
環境・エネルギー工学科では、3年次に進級する際に分属があり、「環境工学コース」「エネルギー量子工学コース」のいずれかに分かれます。その後、4年次に進級した後、コース内の領域(研究室)に分かれ、卒業研究に取り組みます。
コース分属、領域配属を行う中で、環境・エネルギー工学のうち、どの専門領域に取り組むのが絞り込まれていきます。各領域に配属されたあと、具体的にどのような研究テーマに取り組むのかは、指導教員との相談になります。
研究の進め方は文献調査、フィールドワーク、実験、コンピューターシミュレーションなど、研究テーマによって様々です。これも指導教員や研究室の先輩(大学院生)と相談しながら進めることになるでしょう。
Q10.留学する人はいますか?
はい。
大阪大学には留学支援制度があり、毎年多くの学生が留学しています。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/international/outbound/ex_students.html
研究関連
Q11.環境・エネルギー工学科では、具体的にはどのような研究をしていますか?
環境工学コースには9つの領域、エネルギー量子工学コースには11の領域があり、それぞれの領域で複数の研究を行っています。そのため、残念ながらここでその一つ一つを紹介することはできません。
環境・エネルギー工学科のウェブサイトでは各領域の研究内容を紹介しているので、ぜひ見に来てください。
https://see.eng.osaka-u.ac.jp/research
Q12.プラスチックのリサイクル、代替物資の研究などに関心があります。環境・エネルギー工学科では、プラスチックにたいしてどのような研究をしていますか?
生物圏環境工学領域と、量子線生体材料工学領域で関連する研究を行っているので、紹介します。
生物圏環境工学領域では、これに関連して2つの研究を行っています。
- 微生物によってPHA(ポリヒドロキシアルカン酸)というプラスチックを排水処理・廃棄物を原料にして作らせるという研究に取り組んでいます。我々が排出する下水・廃棄物中の有機物を餌にして、人間で言えば“脂肪”をため込むような微生物がおり、その利用技術の開発を行っています。理想的には、この微生物で排水・廃棄物処理を行いながら、プラスチックを製造し、一挙両得を狙っています。PHBは生分解性も高く、今問題となっている海洋プラスチック汚染の解決にも貢献します。
- また、別の研究では、ウキクサという水辺に増殖する小さな水生植物を使って、汚れた水を綺麗にしながらデンプンに富んだバイオマスを生産することも行っています。デンプンはそのまま、あるいは微生物によって乳酸等に変換することで(バイオコンバージョンという)バイオプラスチックの材料になります。デンプンからはプラスチックのみでなく燃料になるバイオエタノールも製造できます。この研究は、植物の力を借りて、二酸化炭素と太陽光から、人の使える資源やエネルギーを生産するので、温暖化防止にも大いに貢献します。
生物圏環境工学領域:http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seewb/seewb/ikelab/
量子線生体材料工学領域では、磁場を使ったプラスチックの自動分別とリサイクルについて研究をしています。
ご存じの通り、プラスチック自体は、普通の永久磁石にはくっつきません。しかし、わずかながら強い磁場から遠ざかろうとする性質があり、その度合いは、プラスチックの種類や混合されている着色剤の種類によって少しずつ異なります。これを利用して、特殊な溶媒中でプラスチック混合物を超電導磁石の強い磁場中に置き、種類ごとに異なる高さに浮かせて、分離する方法を開発しました(磁気アルキメデス法)。通常は磁石にくっつかないアルミニウムや銅などの非鉄金属も、同様の方法で分別してリサイクルに回せる可能性が示されました。
最近では関連の研究として、以下の研究も始めたところです。
・磁場を使って水中のマイクロプラスチックを回収し、リサイクルする研究
・天然由来で生分解し、かつ強度の強いプラスチックの開発
詳細は以下のサイトをご覧ください。
http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeqb/seeqb/
http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeqb/seeqb/study/mar.html
https://see.eng.osaka-u.ac.jp/topics/media/2663.html
Q13.環境・エネルギー工学科では、太陽光発電に関する研究をしていますか?
はい。たとえば都市エネルギーシステム領域では、以下の研究を行っています。
- 太陽光発電の普及の予測、住宅・業務施設における発電量の計算
- 日本の地球温暖化対策への貢献(CO2削減)
- 電力需要(需要-発電量)の変化の推計
- 電力システムへの影響の評価(配電網、電源構成)
都市エネルギーシステム領域:http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeue/seeue/
また、太陽光発電とは異なりますが、再生可能エネルギーに関する研究として、環境エネルギー材料工学領域では、固体の熱起電力(Seebeck 効果)を利用して熱を電気に直接変換する「熱電変換材料」に関する研究を行っています。
環境エネルギー材料工学領域:http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seems/seems/
卒業後の進路関連
Q14.卒業後の進路にはどのようなものがありますか?
環境・エネルギー工学科の卒業生は、ほとんど(90%前後)が大学院に進学します。進学先は、環境エネルギー工学専攻が多いです。
進学し、2年間の博士前期課程を修了した後は、製造業、電力・エネルギー、情報通信、建設・設計、コンサルタント、交通・運輸、研究機関、官公庁など、国内外の幅広い分野へ就職しています。
各業界の内訳などについて、環境・エネルギー工学科のウェブサイトで公開しています。
https://see.eng.osaka-u.ac.jp/career
学生生活関連、その他
Q15.学生の出身都道府県はどこが多いですか?
正確なデータは手元にないのですが、近畿圏の出身者が比較的多い一方で、北海道から九州まで日本全国から学生が集まっています。
Q16.実家が遠い学生は、学生寮に入ったり一人暮らしすることが多いのですか?
はい。多くの学生が、寮や一人暮らしのアパートから通学しています。
大阪大学には学生寮があるほか、大学生協が部屋探しのサポートを行っています。
詳しくは下記のウェブサイトを参照してください。
学寮・アパート・マンション紹介:https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/student/general/dormitory.html
大学生協 マイルーム:https://www.handai-myroom.com/
Q17.研究室のホームページが英語で書かれていることが比較的多いと感じたのですが、工学部全体として国際性を重視しているのでしょうか。
はい。社会のグローバル化に対応して、大学もグローバル化が進んでいます。
例えば、工学部/工学研究科には574名の留学生が在籍しており、これは学生数の約1割にあたります。
また、日本から海外への留学支援制度もあります。
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/international/outbound/ex_students.html