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2016年6月16日
受賞・報道・出版

平成28年度優良発表賞を受賞(量子線生体材料工学領域 秋山庸子准教授、博士前期期課程2年・小林浩二さん)

秋山庸子准教授、博士前期課程2年の小林浩二君は公益社団法人低温工学・超電導学会より平成28年度優良発表賞をそれぞれに受賞しました。2016年5月31日にタワーホール船堀で開催された、2016年度春季低温工学・超電導学会にて授与され、今学会で発表した西嶋研究室の前期課程1年次生も共に受賞を喜びました。

秋山准教授の発表題目は「磁気力制御を用いたセシウム汚染土壌の減容化に関する研究~磁気分離のための前処理方法~」です (2015年度春季同会) 。福島第一原子力発電所事故により発生した大量のセシウム汚染土壌を、分級と磁気分離によりCs吸着量の多い2:1型粘土鉱物のみを選択的に回収し減容化します。砂礫や1:1型粘土鉱物等の他の土壌成分の線量が十分に低下しない場合は埋戻しや再利用ができないため、これらの手法のみでは汚染土壌の減容化が難しい場合があり、磁気分離の前処理として、砂礫と1:1型粘土鉱物から2:1型粘土鉱物へのCs移行処理を検討しました。この受賞を受け秋山准教授は「今回の発表は福島県内の仮置き場で行わせていただいた現地実験の内容であり、研究室の皆様のみならず福島の地元の皆様のご協力無しには成り立たない研究でした。ご協力くださった皆様に心より感謝いたしますとともに、本研究が福島の復興の一助となるよう、地に足を付けた研究を推進していきたいと思います。」と話しています。

小林君の発表題目は「核融合炉用超電導磁石絶縁材料の照射効果に関する研究―マトリックスと界面の照射効果の検討―」です(2015年度秋季同会)。現在 計画が進められている核融合炉では、燃料を制御するために、非常に強い磁場を発生させることができる超電導磁石が使用されます。その超電導磁石の材料の一 である絶縁材料は非常に低い低温と放射線にさらされます。絶縁材料は放射線に弱く、劣化することが問題となっています。そこで、本研究では、低温環境下で 絶縁材料に放射線を照射した時の影響を評価することを目的とした実験を行い、その成果を発表しました。小林君は「今回発表させていただいた研究では、先生 方をはじめ、現在では卒業された先輩や研究室の皆さんに支えられて実験を進めることができ、深く感謝しています。結果としてこのような賞をいただけて大変 嬉しく思います。今後もさらに自身の研究に勤しみ、核融合や複合材料の研究分野、そして社会に微力ながら貢献できればと思っております。」と話しています。

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