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環エネTOPICS

2022年3月3日
教員・研究者

片山 祐 准教授

教員紹介

氏名 片山 祐
職名 准教授
学位 博士 (工学)
領域 エネルギー材料学領域
領域HP

 

オペランド分光法による電極/電解液界面反応の分子レベル解析

電気化学反応は、エネルギー貯蔵・エネルギー変換・材料合成など幅広い分野で我々の豊かな生活を支えています。これらの反応は全て、固体の電極材料と液体の電解液材料の境界「電極/電解液界面」にて進行しており、その理解が反応特性のさらなる向上に必要不可欠です。

我々のグループでは、独自のオペランド解析による電極/電解液界面反応の原子レベルでの可視化に挑戦しています。さらに、得られた知見を材料設計へと応用することで、液体・固体材料設計を包含した「電極/電解液界面」の能動制御を実現します。これにより、エネルギー・環境問題の解決に資する電気エネルギー貯蔵反応(二次電池反応)・発電反応(燃料電池反応)・物質変換反応(水分解、二酸化炭素変換、窒素変換反応)の特性を飛躍的に向上させる、界面能動制御手法を確立します。

革新的な電気化学的物質変換反応の開発

サステイナブルかつ高効率な材料合成プロセスとして、従来の触媒プロセスにかわる、電気化学的な物質変換反応が注目されています。この次世代の物質変換反応には、例えば、工場などから排出された二酸化炭素を電気化学的に還元し、資源化する二酸化炭素還元反応や、無尽蔵に存在する水を電気化学的に分解し、水素と酸素を取り出す水分解反応、さらには大気中の窒素と水から、次世代のエネルギーキャリアとして期待されるアンモニアを取り出す窒素還元反応などがあります。

我々のグループでは、電気の力で水・二酸化炭素・窒素から次世代燃料を製造する電解デバイスの社会実装に必要な基盤技術を開発しています。本テーマでは、反応メカニズムに立脚した革新的触媒・電解質材料の開発だけでなく、社会実装を見据えたセル部材・スタック開発を、産学連携体制を構築することで推進していきます。これらの革新的電気化学的物質変換デバイスの社会実装により、再生可能エネルギーの変動・余剰分を有効利用しながら、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

 

電気化学ナノ反応場を用いた新反応の開拓

電気化学反応の主役は触媒を含む電極です。あらゆる触媒反応と同様に、この電気化学反応の理想形もまた、「所望の生成物のみを、速やかに、かつ必要最小限のエネルギーで得る」ことです。そのためには、反応メカニズムの理解に基づいて自在に設計できる電極触媒材料が必要不可欠となります。

我々のグループでは、理想的な電気化学反応を実現するべく、1つ1つの分子が独立しており、原子レベルで設計可能な均一系触媒の長所と、外部回路からの電気エネルギー(電子)の出し入れに対応できる不均一系触媒の利便性を兼ね備えた、新しい電気化学ナノ反応場の設計に挑戦しています。このナノ反応場を用いることで、飛躍的な原子利用効率の向上、電子状態をはじめとする材料因子の精密制御、活性サイトの幾何構造の自在設計、活性サイトを取り囲む液相基質の能動制御を実現し、触媒特性の飛躍的な向上、さらには既存触媒では不可能であった全く新しい電気化学反応を開拓します。これらの革新的触媒の設計指針と大量合成法を確立することで、極めて低コストかつ高効率な電気化学デバイスを開発し、エネルギー変換・物質変換反応の革新に貢献します。

 

 

学生へのメッセージ

日本国内だけでなく、トップレベルの海外研究機関と共に環境・エネルギー問題を解決する革新的技術の創出に挑戦しています。研究内容に興味を持ってくれた方はもちろん、研究留学などにチャレンジしたい方にもおすすめです。

論文・著書リスト:

  1. Botao Huang, Reshma R. Rao, Sifan You, Kyaw Hpone Myint, Yizhi Song, Yanming Wang, Wendu Ding, Livia Giordano, Yirui Zhang, Tao Wang, Sokseiha Muy, Yu Katayama, Jeffrey C. Grossman, Adam P. Willard, Kang Xu, Ying Jiang, Yang Shao-Horn, Cation- and pH-Dependent Hydrogen Evolution and Oxidation Reaction Kinetics, Journal of the American Chemical Society Au, 1, 1674−1687 (2021). https://doi.org/10.1021/jacsau.1c00281
  2. Reshma R Rao, Manuel J Kolb, Livia Giordano, Anders Filsøe Pedersen, Yu Katayama, Jonathan Hwang, Apurva Mehta, Hoydoo You, Jaclyn R Lunger, Hua Zhou, Niels Bendtsen Halck, Tejs Vegge, Ib Chorkendorff, Ifan E.L. Stephens, Yang Shao-Horn, Operando Identification of Site-Dependent Water Oxidation Activity on Ruthenium Dioxide Single-Crystal Surfaces, Nature Catalysis 3, 516–525 (2020). https://doi.org/10.1038/s41929-020-0457-6
  3. Yirui Zhang, Yu Katayama (co-first author), Ryoichi Tatara, Livia Giordano, Yang Yu, Dimitrios Fraggedakis, Jame G. Sun, Filippo Maglia, Roland Jung, Martin Z. Bazant, Yang Shao-Horn, Revealing Electrolyte Oxidation via Carbonate Dehydrogenation on Ni-based Oxides in Li-ion Batteries by In Situ Fourier Transform Infrared Spectroscopy, Energy & Environmental Science 13, 183–199 (2020). https://doi.org/10.1039/C9EE02543J
  4. Riho Matsuoka, Masayuki Shibata, Kousuke Matsuo, Ryansu Sai, Hiromori Tsutsumi, Kenta Fujii, Yu Katayama, Importance of Lithium Coordination Structure to Lithium-Ion Transport in Polyether Electrolytes with Cyanoethoxy Side Chains: An Experimental and Theoretical Approach, Macromolecules, 53, 9480−9490 (2020). https://doi.org/10.1021/acs.macromol.0c01634
  5. Jonathan Hwang, Reshma R. Rao, Livia Giordano, Yu Katayama, Yang Yu, Yang Shao-Horn, Perovskites in Catalysis and Electrocatalysis, Science 358, 751–756 (2017). https://doi.org/10.1126/science.aam7092
  6. Yu Katayama, Takeou Okanishi, Hiroki Muroyama, Toshiaki Matsui, Koichi Eguchi, Enhanced Supply of Hydroxyl Species in CeO2-Modified Platinum Catalyst Studied by in Situ ATR-FTIR Spectroscopy, ACS Catalysis 6, 2026–2034 (2016). https://doi.org/10.1021/acscatal.6b00108