伊藤 健吾 助教
教員紹介
氏名 伊藤 健吾
職名 助教
学位 博士(理学)
領域 量子エネルギー工学講座 量子システム化学工学領域
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分析化学・溶液化学
無機溶液中における元素の化学形態・溶存状態を調査し、それに基づいた高度な元素分離技術の開発に取り組んでいます。とくに、溶液下におけるレアメタルやレアアース(ランタノイド)、アクチノイドなどの元素が示す化学的挙動を解明し、効率的な分離・回収プロセスを構築することを目指しています。たとえば、これまでに特定の有機配位子を用いた単一工程での高効率な元素分離法を提案し、従来のプロセスを簡素化しています。また、高レベル放射性廃液に含まれる有用金属の分離においては、先進的な抽出剤と塩析効果を組み合わせることで、高効率な分離を実現しました。さらに、難分離元素の再抽出技術の開発にも成功し、より効果的な回収プロセスの構築に貢献しています。今後も、分光分析やクロマトグラフィー、化学形態分析、質量分析を駆使し元素の化学形態を深く理解しながら、持続可能な資源利用や環境負荷の低減に貢献する新たな分離・回収技術の開発を進めていきます。
地球化学
天然における放射壊変の現象は、地震や火山活動などの地質現象がいつ起こったのか、そのタイムスケールを決定する「時計」としての役割を持っています。私は、新しい放射年代測定法の開発と、その基盤技術の構築に取り組んでいます。とくに、岩石を構成する主要な鉱物を対象とした精密な年代測定を可能にするため、鉱物を選択的に溶解する手法を独自に開発し、放射年代測定の精度向上に貢献してきました。また、精確な年代測定を行うためには、試料の同位体比を精密に分析することが重要です。そのため、レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)などの先端的な質量分析技術を活用しながら、質量分析装置の開発にも取り組んでいます。こうした研究を通じて、新しい年代測定法を確立し、資源鉱床の研究や防災への応用を進めていきます。さらに、鉱物のごく一部を分析できる局所年代測定や主要~微量元素の分布を可視化するイメージング技術の実用化を推進し、地質試料のより詳しい多次元解析を可能にすることを目指しています。
論文・著書リスト
- K. T. M. Ito, S. Takahashi, C. Kato, S. Fukutani, T. Matsumura, and T. Fujii, Solvent extraction of tin in nitric acids: evaluation of multiple extractants, J. Radioanal. Nucl. Chem., 334(1), 2467–2475 (2025).
- K. T. M. Ito, T. Kawakami, C. Kato, S. Fukutani, T. Matsumura, and T. Fujii, Solvent Extraction of Selenium in Nitric Acid: Evaluation of Multiple Extractants and Proposal of a Novel Separation Process, J. Radioanal. Nucl. Chem., 333(10), 5183–5189 (2024).
- N. Akizawa, K. Ito, S. Niki, T. Hirata, K. Okino, and Y. Ohara, Late dry back-arc magmatism recorded as dolerite dike intrusion in the Mado Megamullion, Shikoku Basin, Geochem. J., 58(5), 194-203 (2024).
- K. T. M. Ito, Y. Hibiya, Y. Homma, T. Mikouchi, and T. Iizuka, The Promise and Potential Pitfalls of Acid Leaching for Pb–Pb Chronology, Chem. Geol., 525, 343–355 (2019).