2014年6月1日
受賞・報道・出版
レーザー学会創立40周年記念第34回年次大会学術講演会優秀発表賞受賞(量子ビーム応用工学領域 石井克典助教)
量子ビーム応用工学領域 石井克典助教がレーザー学会学術講演会第34回年次大会優秀発表賞を受賞しました。授賞式は2014年5月30日にホテル阪急エキスポパークにて行われました。
発表演題は「波長5.85 μmのナノ秒パルスレーザーを用いたヒトう蝕象牙質除去における硬さと切削深さの関係」です。歯科のミニマルインターベンション(最小限の侵襲で虫歯の治療を行う概念および方法)を実現するためには、虫歯だけを切削できる技術が必要不可欠ですが、現在のところそのニーズを十分に満たす治療デバイスはありません。我々が研究を進めている波長5.85 μmのナノ秒パルスレーザーによる技術はヒト虫歯を選択的に切削可能なことが分かってきています。本発表では、虫歯の進行度と関連する要素の1つである「硬さ」と切削深さの関係を検討しました。虫歯を含むヒト象牙質においてダブルブラインドテスト的に硬さと切削深さの関係を調査した結果、波長5.85 μmにおける最適エネルギー条件で、硬い箇所は切削されず柔らかい箇所は切削されること、すなわち硬さにより切削を制御可能なことが分かりました。また、この「切削される/されない」の関係と臨床医の「切削したい/しない」の関係に相関があることが分かり、波長5.85 μmのナノ秒パルスレーザーは治療すべき虫歯を選択的に切削できるということが示されました。