重要文化的景観選定を通じた小集落のエリアマネジメント推進に関する研究
- 松本邦彦、坂井亮文(2015年度修士)、平野章吾(2017年度修士)、小池のどか(2018年度修士)、赤坂尚哉(2020年度修士)
- 2018年4月 - 2022年3月 <終了>
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2018年4月 – 2022年3月
■研究の目的
本研究は重要文化的景観の選定に向けて地域で実施される地域の自然的・社会的環境の網羅的把握、意識共有、保全計画策定とそれに向けた体制の構築、さらに選定後の普及啓発や修景整備などの取り組みを、魅力向上、運営体制、財源確保といったエリアマネジメントの観点から評価し、選定に関連する各種プロセスが地域の自律的なまちづくりや活性化推進に与える影響とその構造を把握することを目的とした。
具体的に「(1)課題共有・体制構築」「(2)エリアの魅力向上」「(3)財源確保」に関する研究を推進した。
本研究は重要文化的景観の選定に向けて地域で実施される地域の自然的・社会的環境の網羅的把握、意識共有、保全計画策定とそれに向けた体制の構築、さらに選定後の普及啓発や修景整備などの取り組みを、魅力向上、運営体制、財源確保といったエリアマネジメントの観点から評価し、選定に関連する各種プロセスが地域の自律的なまちづくりや活性化推進に与える影響とその構造を把握することを目的とした。
具体的に「(1)課題共有・体制構築」「(2)エリアの魅力向上」「(3)財源確保」に関する研究を推進した。
■得られた成果の国内外における位置づけとインパクト・今後の展望
文化的景観はユネスコ世界文化遺産の一類型として導入されたものでもあり、その保護と地域活性化の両立は世界的な課題であり、得られた知見の多くは国外でも有用なものである。特に自然的・社会的環境に共通性を有する東南・東アジアでの知見の活用は学術的・政策的にも有用なものと考えられる。国内においても、文化財保護・都市計画・環境・産業などの多分野に跨がる分野でありながらも、それらを横断する研究展開はこれまで十分とは言いがたく、「近江八幡の水郷」に関する研究が日本造園学会全国大会にてベストペーパー賞を受賞したほか、現地で開催した成果報告会が新聞報道①されるほか、朝日新聞のWEBコンテンツ②で研究が紹介されるなど、研究成果の反響は大きいものとなった。
今後の展望としては、表1に示すエリアマネジメントの手順のうち、「②意識の共有」に関する重要文化的景観選定を目指す地域で、選定申出を契機に実施された議論や保存・活用の計画策定などの取り組みが選定後の活動や体制構築に与えた影響の分析に関する研究、「③活動と仕組みづくり」に関して財源確保の課題解決に向けた研究の展開を図ることで、今回得られた成果とあわせてエリアマネジメントの推進により寄与できる知見になると考えられる。
文化的景観はユネスコ世界文化遺産の一類型として導入されたものでもあり、その保護と地域活性化の両立は世界的な課題であり、得られた知見の多くは国外でも有用なものである。特に自然的・社会的環境に共通性を有する東南・東アジアでの知見の活用は学術的・政策的にも有用なものと考えられる。国内においても、文化財保護・都市計画・環境・産業などの多分野に跨がる分野でありながらも、それらを横断する研究展開はこれまで十分とは言いがたく、「近江八幡の水郷」に関する研究が日本造園学会全国大会にてベストペーパー賞を受賞したほか、現地で開催した成果報告会が新聞報道①されるほか、朝日新聞のWEBコンテンツ②で研究が紹介されるなど、研究成果の反響は大きいものとなった。
今後の展望としては、表1に示すエリアマネジメントの手順のうち、「②意識の共有」に関する重要文化的景観選定を目指す地域で、選定申出を契機に実施された議論や保存・活用の計画策定などの取り組みが選定後の活動や体制構築に与えた影響の分析に関する研究、「③活動と仕組みづくり」に関して財源確保の課題解決に向けた研究の展開を図ることで、今回得られた成果とあわせてエリアマネジメントの推進により寄与できる知見になると考えられる。
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