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研究内容

 脱炭素化社会の実現には、太陽光発電や電気自動車等の分散型エネルギー資源の導入拡大が不可欠である一方、分散型エネルギー資源の導入時に配電網において発生する電圧不安定や充電需要増加に伴う配電線逼迫等の様々な課題を解決する必要があります。本研究室では,分散型エネルギー資源の大量導入を実現するスマートグリッドの構築やカーボンニュートラルの実現に向けたエネルギーマネジメントシステム(EMS)に関する研究を通じて,持続可能な社会の構築を目指しています。

電力×交通セクターカップリングモデルの構築

 カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーの主力電源化や産業部門・民生部門・運輸部門での徹底した省エネルギー化・電化が必要であり,エネルギー需要と供給の両面から脱炭素化を考える必要があります。電気自動車の導入を考える際には,化石燃料由来の電力で電気自動車を充電するのではなく、再生可能エネルギーを最大限活用できるような方法を考えなければなりません。このためには、エネルギー供給側の配電網とエネルギー需要側の交通網の相互作用を反映したセクターカップリングモデルの構築が必要です。
 当研究室では,人々が生活を営む都市空間を中心として,配電網の電気的挙動と交通網の車両ダイナミクスを精微に再現する「電力×交通セクターカップリングモデル」の構築に取り組んでいます。このモデルでは、電力・気象・流動人口データ等を入力として、配電網の電圧安定性やCO2排出量等の様々な観点から開発手法の導入効果を定量的に評価し、脱炭素化に向けた課題抽出や脱炭素化社会の実現性を評価するための評価体系の確立も目指しており、様々な研究開発への応用を考えています。

分散型エネルギー資源の配電網へのインパクト評価

 再生可能エネルギーの主力電源化やカーボンニュートラルの実現には、分散型エネルギー資源が持つ系統貢献可能量を定量的に推計するとともに、配電網に与える影響を評価する必要があります。今後の普及拡大が見込まれる電気自動車を対象として、スマートフォンのGPS測位による緯度・経度点列情報や位置情報ビッグデータを利用して電気自動車の走行・充放電挙動を模擬し、電気自動車の充放電可能量を推定しています。

分散型エネルギー資源の導入拡大に向けたエネルギーマネジメントシステムの開発

 エネルギーシステムは人や技術を構成要素とする複雑なシステムであるため、優れたエネルギーシステムを構築するためには、様々な要素技術や成果を統合しながら、システム全体としてのあり方を検討し、評価していくことが重要です。
 本研究室では,分散型エネルギー資源自体が持つ系統安定化技術を活用した次世代の配電網安定化技術に着目し、電圧・周波数などの電力品質を維持しつつ、配電損失の削減や電力コストの削減を目指す新しい配電網の安定化技術の開発を目指しています。また、配電系統運用者と電気自動車ユーザとの双方向連携によって得られるリアルタイム情報を反映しながら、再生可能エネルギー電力の最大限利用と電気自動車ユーザの利便性向上を同時に実現するエネルギーマネジメントシステムの開発も行っています。


大阪大学大学院工学研究科
環境エネルギー工学専攻 共生エネルギーシステム学講座

カーボンニュートラル工学領域 芳澤研究室

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 AR棟5階526室

Yoshizawa Laboratory
Carbon Neutral Engineering Laboratory

Division of Sustainable Energy and Environmental Engineering
Graduate School of Engineering, Osaka University

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